先日ブログで定期的に更新します、といって気づいたら一年以上放置していました。。。やっぱりやらないとだめですね。というわけで、歯列矯正が一応終わりました。
自分でやるときもいろいろ調べましたが、マウスピース矯正で相談してもあまり教えてもらえないこと、やってわかることも含めて記録したいと思います。なお、後段で書いている留意点は日本の先生と相談してわかったことでドバイの歯医者が教えてくれなかったことなので、もしかしたら先行して教えてくれるかもしれません。
悪い点をあえて多く書いていますが、結果として満足しています。これからマウスピース矯正を検討される方は、安い買い物ではないこともありいろいろと考えると思いますので、少しでも参考になれば、と思います。
マウスピース矯正の特徴(個人の感想含む)
まずいいところ悪いところをまとめたいと思います。
【良】とにかく目立たないところ
まずはとにもかくにもこれだと思います。ワイヤー矯正だと、どうしても白やクリアのものを使っても目立ってしまうところがあるので、目立ちたくない、というのはかなり大きい要素ではあると思います。
ちなみに僕はあまりワイヤーかどうかはこだわりがなかったのですが、結果として海外でやったので高くなかったということが理由です。また、つけている間は会社の同僚には半年以上気付かれませんでした。
【良】アライナーがあると多少食べにくいが、ワイヤーほどに食べにくくない
マウスピース矯正が技術的にできるようになったのは、3Dの型がコンピュータでとれるようになったことに加えて、歯の表面にアライナーというポッチを付けて引っ掛けることで歯に力を加えられるようになったから、だそうです。
アライナーは食べるときに引っかかるのでちょっと気になるのは事実なのですが、さすがにワイヤーほどにものが詰まったり、ということはないので、比較論としては食べやすいほうだと思います。
【良】激痛は二日間くらいで済むらしい
ワイヤー矯正のほうが歯に対してかける力が強いため、時間短縮になったり微調整が効きやすいというのがあるのですが、その反面調整後は激痛が続くらしいです。(未経験なので伝聞です)
マウスピース矯正の場合、大体1~2週間でマウスピースを交換してしまうので、大体その周期で激痛との闘いになります。後半戦は対していたくなくなってくるので大体最初の二日間くらいの激痛に耐えればよいというのは利点かと思います。ワイヤー矯正だと調整後は米粒が噛めない、との話です。
【良】痩せます
不確実な話でアレですが、痩せます。まずマウスピースを外さないと食事ができないので、仕事中の間食が減りますし、つけはじめの時期はマウスピースの取り外しが面倒なことに加えて取り外して食べるのが痛いので食欲が抑えられます。実際5~6キロくらいは痩せたと思います。
【難】多少価格が高い。(ただ、海外だと追加料金なしで40万程度で済みました)
これは一般的ですね、価格が高いです。最近は安くなっているようですが、それでも100万近くは覚悟しないといけないといわれています。これは海外駐在に行った際にはかなり安くできますので、海外矯正は英語さえ問題なければいけるとおもいます。(ちなみに、英語力も痛いとかここがおかしいとか隙間が、とか言えれば十分)
矯正は医療保険でカバーされるケースもあるので、会社が負担してくれていたとしても自腹で追加の医療保険に入って矯正を支払い、その後に解約してしまえば総じて安く済む、という技もあります。
【難】矯正の自由度が低い
自由度、というか矯正の精度が低くなります。これは正直なところ、最初に説明されて意外だったのに加えて実際そうだなぁ、と感じたところでもあります。
後で日本の先生に相談してわかった話ですが、人間の口は魚の骨(約6ミクロン)を検知するので歯の段差も6ミクロンくらいは舌で分かってしまうようです。マウスピースの場合は、機械やゴムを使って歯型をとって機械的にマウスピースを作るので、さすがに6ミクロンの差を埋めることは相当難しいです。実際に、最後のマウスピースを手で触るとずれていないのに、実際の歯は微妙にガタツキがあった、というのも事実です。(見た目は気になりません、当然)
ワイヤー矯正のほうがこのあたりは見ながら力の加減を調整できるので、マウスピースにはない矯正の精度を実現できる、ということなのだと思います。先生曰く、症例数も全然違うので、ワイヤーの精度は出ない、と海外、日本両方でいわれました。
【難】コーヒーなどの着色飲料への対応が難しい(仕事上)
普段は水しか飲まなくなるのですが、仕事をしているとコーヒーが会議で出てくることが多いです。(海外だと水とか選べるケースも多いのですが。。。)出されて飲まないというのも難しいので、こればっかりは結構問題です。
コーヒーを飲むとマウスピースへの着色はやはり進んでしまうので、あきらめるしかないのですが、結構仕事をする上では悩ましい問題でした。。
【難】結局マウスピースを食事前に外すので、目立たない、というのも限界がある。
冒頭で目立ちにくい、ということを良い点として書いていますが、結局のところ食事の前に外す必要があるので、外すという事実を認識されると目立つといえば目立ちます。毎回食事の前にトイレに行けるわけでもないですので。。。この辺りは矯正をする以上は2~3年の覚悟としてとらえたほうがいいかもしれません。
【難】ワイヤー以上に虫歯になりやすい(らしい)
先生に聞いた話だと、人間の歯は常に唾液が循環していて、唾液が歯間を通ることで虫歯を抑制している点もあるとのこと。ワイヤー矯正の場合は当然歯間に唾液は通るのですが、マウスピース矯正の場合は歯そのものにカバーをして、それを22時間以上付ける、ということを強いられます。また、食事のあとに常に歯磨きにすぐ行けるとは限りませんので、数時間は唾液無しで歯が汚れた状態で放置、といったことがそれなりに発生します。
これが直接的に虫歯になるのか、と言われるとわかりませんが、虫歯にすごくなりやすい人、というのはちょっと大変かもしれません。
【難】中心線がそろっていないと矯正が本来はできないが、やってしまう点もある
これは理由はよくわからないのですが、マウスピース矯正は中心線(上の歯、下の歯の中心)がずれていると直せないそうです。ちなみに僕は一応そろっていたようですが、本当なのかわからないのと、それでもやってしまう医者はそれなりにいるようです。
【難】かみ合わせ調整をしても、合いにくい。奥歯が全く噛まなくなる可能性がある。
これはやってみての感想です。矯正をしている人を観察していると、上下の器具を輪ゴムでつないでいる方がいるのを見たことがあるかと思います。
あれは、歯並び自体を修正すると、本来歯がかみ合っていた部分がずれてくるため、それを輪ゴムで引っ張ることでかみ合わせの調整をする輪ゴムになります。ちなみに僕は使いませんでした。(それが理由かわかりませんが、後で痛い目にあいましたが)
結局のところ、ワイヤー矯正の場合は自分の歯が常に当たっている状態なので調整が効くのですが、マウスピース矯正の場合は歯をマウスピースで覆ってしまうので、日常時に歯と歯が当たるということがありません。また、マウスピースを重ねるということは、歯の高さが物理的に高くなります。日常時にマウスピースを噛むな、と指導されるのですがこれを守るのはなかなか難しく、結局マウスピース越しに噛んでしまうことが多いです。その結果、マウスピースの高さを入れた歯で自分の体がかみ合わせを調整してしまうため、奥歯の隙間が空いて前歯だけが噛むような状態が起こってしまいます。
ちなみに、マウスピース矯正を始めるとわかりますが、食事の時にどの歯でどこを噛んでいるのか感覚がおかしくなります。(最終的には慣れで治りますが。。。)
海外矯正で苦労した点、留意点
さて、これまではマウスピース矯正の一般論と経験談でしたが、最後に海外矯正で苦労したことをまとめたいと思います。
光学模型で型を作るため、歯医者を引き継ぎにくい
別エントリーで書いていますが、EON Alignerというのを使って僕は矯正をしました。マウスピース矯正は提供しているシステムがいくつもあって、同じシステムを使っている医者が居れば簡単にシステムを引き継ぐことができるようです。有名なのだと、Invisalignですね。
このEON Alignerシステムは日本にあるということがWebには書いてあるのですが、残念ながら現地の医者経由、公式サイト経由で問い合わせてもダメでした。(なぜか、同氏はアブダビに移住したとか。。。)
日本に戻ってきて矯正の仕上がりチェック、リテーナーに切り替えるにあたって、いろんな医者に連絡をしたのですが、多くは「矯正方針がわからないから無理」「受けてもよいが当時の光学モデル、歯型のいずれが必要」といわれ、結果として受けてくれる歯医者が見つかりませんでした。
現地ですべて完結してから帰国できるのであればよいですが、もしダメだった場合は帰国してからちょっと大変なことになります。
いい加減なのかどうかがわからない
これは日本も同じですが。。。。英語で状態、希望、おかしいと思う症状なんかを説明する必要があるのですが、英語が話せても医療英語というのは結構難しいです。それなりに質問しても、相手は当然百戦錬磨の医者ですので、ああいえばこういう、で何かしら反応が返ってきます。
問題は、それが本当に正しいのかがわからない、ということです。こればっかりは信じるか、信じられるまで質問し続けるしかないのですが。。。
同じ歯医者を使うと時間と金がかかる
海外の場合、ぽっきり料金で最後まで面倒を見てくれるケースが多いです。僕のように途中で日本に帰ってきてしまう場合でも、連絡すれば追加のマウスピースやリテーナーを送ってくれます。
なのですが、問題は追加のマウスピースを作る場合です。一度お願いを試みたのですが、当然EON Alignerのシステムを導入している歯医者が日本にいないので、現状に関して別の歯医者で歯型をとってもらい、それを現地に送る、というような作業が必要になります。もちろん歯型作成はお金がかかりますし、国際郵便で送る必要があります。
僕の場合は、最終段階でちょっと気になるかな、という点を修正している段階だったので上記のようなことはしませんでしたが、結構大変な作業になるなぁ、、、と思いました。
リテーナー作りですごく苦労する
これは上記と被るのですが、リテーナー作りですら歯医者には断られるケースもあります。これは矯正専門医をネットで探して、リテーナーだけでも良いか、その他気になる点も併せて相談に乗ってくれるか、というのを気長に探していくしか方法はありません。
(番外編)奥歯のかみ合わせ修正
上のほうで書きましたが、僕も御多分にもれず、奥歯のかみ合わせ問題が起きました。具体的には、見た目はそろいましたが、前歯しか噛んでおらず、奥歯はスカスカでまったく噛んでいない状態。なので、ものを食べるときは全く噛み切れず、かなりつらい思いをしました。
現在は治ってきたのですが、治療方法はいくつかあるのですが、①自然流下、②ワイヤー矯正で修正、③奥歯にかぶせもの、というのを推薦されると思います。結果①にして、解決に至っています。
②がわかりやすいのですが、本来矯正では動かさない奥歯に対して前歯を軸にして力をかけて歯を引き出す、というものです。これは、これだけで数年かかること、費用にして40万くらいはかかる、と言われて断念しました。
③も分かりやすく、奥歯が噛んでいないのであれば、奥歯の上にかぶせものを付けて歯の高さを上げてしまおう、というアイデアです。これはほとんど確実ですが、矯正した後は無理やり歯の位置を人工的に力で直している状態なので、人間が動物として噛みやすい状態からは遠い状態です。リテーナーを付ける理由もそうなのですが、基本的には元あった状態、またはより心地の良い状態に戻ろうとするので、矯正後からみて最適なところに歯の修正が働きます。従い、③をやったとしても、また修正が必要になる可能性が出てきます。
①は③のように、どうせ人間は動物としての修正力を働かせるので、リテーナーを前歯6~8本だけの短いものにして、奥歯を自由な状態にあえてさせて、奥歯が自然と出てくることに賭ける、というものです。賭ける、の通り思い通りにならない可能性もあるのですが、今回は無事に歯が出てきて今のところ問題なく噛めている状態になりました。
最後はちょっと矯正から離れてしまいましたが、自分もこの話題ですごく悩んだので、もし気になる方の参考になれば、と思います。
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