ロードバイクに乗り始めてから早2年(つまりコロナから2年。。。)くらい経ちましたが、人の自転車の無水洗車もやり始めたので手順を記録することにしました。どれくらい丁寧にやるかによりますが、30分~1時間くらいの無心の作業という感じです。
友人曰く、店にお願いすると5000円くらいはかかるようなので、自分で旅行先で簡単な点検ができるようになるのと、洗剤代とかも考えると2回も洗えば余裕で元は取れる気がします。(僕は洗車好きなので、3~4回乗ったら洗車してしまいますが。。。)
無水洗車って何?
僕も最初は近くの公園に行っていろいろと道具を洗ったりしながら洗車してました。前提として洗車は水がないと出来ないと思ってたのもあるのですが。。。実際のところは水がなくても大丈夫で、最近は駐輪場の空きスペースだったりベランダで洗ってしまうことがほとんどです。
というわけで、手間も少ないので水なしで洗車するのは結構おすすめです。また、無水洗車のいいところとして水のふき取りが少なくて済むというメリットがあります。僕の車体はアルミ、最近はカーボンも増えているのであんまり問題にならないかもしれませんが、駆動系周りだったりは金属が多くあるためいくらステンレスだったとしても水を付けて放置したら錆びるので、その錆リスクを抑えることができるのはホビーライダーであればあるほどに大きなメリットになる気がします。(乗る頻度が低いので、錆の発生に気付くチャンスが減る)
必要な道具とケミカル(薬品類)を揃える
さて、まず必要な道具を揃えていく必要があります。残念ながら、結構色々と必要です。(一回買ってしまえば薬品とウェス以外は再利用可能!)
- 機材関係
- スタンド(必須、洗車を考える人であれば持っている?)
- チェーンローラー(なくてもできますが、あると圧倒的に便利)
- 洗車ブラシ(必須)
- プラスチックのカード(要らないメンバーカードとかでOK、仕上がりが違う)
- 刷毛(100均で十分、豚毛がいいらしいですが極論塗れればOK)
- 豚毛ブラシ(チェーン洗浄をするためのブラシ。ワコーズの人曰く必須、個人的にはどっちでも変わらない気がする。。。)
- ケミカル関係(薬品類)
- パーツディグリーザー(油分を溶かす薬品、洗車の要で必須)
- 潤滑油(絶対必須)
- チェーンオイル(絶対必須)
- フォームクリーナ―(必須ではないとされていますが、個人的には必須)
- その他消耗品
- ウェス(ふき取り用の布)
- ゴム手袋(100均で十分)
こう書き並べてみるとたくさんありますが、長期的に乗ろうと思った人しか洗車しようとも思わないと思いますので、大丈夫だと思います。写真なんかはこれから書く工程のところで紹介します。
前工程:清掃準備のための分解
まず車体の確認からです。先日埼玉まで行った際に、Google mapで提示された泥道を走ったらモロに滑って泥だらけになった車体です。(笑)
最近はあんまり乗れていないこともあり、汚いとは言えまあまだまだきれいなギア回りはこんな感じ。
さて、汚れを確認したところで後輪を外してチェーン部分の掃除をしやすいようにスタンドで固定します。まず、ここで使う器具はチェーンローラーになります。
丁寧な方は輪行でも使うみたいですが、僕は輪行は荷物を減らしたいので完全に洗車専用です。そういう意味では輪行用のエンド金具を持っている方はそれをつかってもあんまり問題ないです(ギアを回すのでエンド金具は傷つきますが。。。)。これを後輪タイヤ部分にはめ込むべく、後輪を外します。
なお、お詳しい方向けに先に書いておきますと、僕の車体は油圧ディスクなのにクリックリリースという過渡期モデルでちょっと変わったものです。他方でクイックリリースであろうが、スルーアクスルであろうがやることは同じなのでご安心ください。確かミノウラのチェーンローラーもスルーアクスル対応のはずです。(未確認)
図のようにフォークを手でつかんでそのまま車体を持ち上げると勝手に車輪が外れます。(鋭い方はギアをもっとハイにすべき!という指摘はその通りですが、いつも面倒なのでそのままやってしまいます。。。)
僕も最初そうだったのですが、後輪を外すためにだけに車体をひっくり返していました。しかしそれは無駄で、車体を持ち上げて車輪を落としてから、プーリーゲージ(右図の左上矢印のところ)を押し込んであげてチェーンを緩めてあげれば簡単に車輪は外れます。外した後は車体が浮いている状態ですので、そこに先ほどのチェーンローラーにチェーンを噛ませながらはめ込み、そのままいつもと同じようにスタンドを立てます。
ここまでがもしかしたら一番難しいかもしれないです。。。
分解に続いて、ウェスの準備をします。ウェスは油汚れ用と水ぶき用が必要ですので2枚準備します。個人的には後でわからなくなるので色違いを準備しておくのがオススメと思います。僕は汚れの取れた感が好きなので、油用に白を使ってます(笑)
なお、僕はAmazonのウェスが好きなのですが、ロードバイクの界隈だと「ワイプオール一択!」という声も強いので一応載せておきます。
油汚れを落とす
さて、本題の油汚れ落としに入ります。
ディグリーザーを付ける
大体の場合、ロードバイクの汚れはギア回りの油分が固まったり、その固まった油分についたゴミが原因で発生しています。なので掃除の基本は油分の分解による汚れ落としです。ここでちゃんと油分を分解する準備をしておかないと仕上がりに影響が出ます。
まず最初にパーツディグリーザーを小さい金属フタ一杯分取ってプラフタに空けます。僕もそうだったのですが、大体この一杯分で十分でこれ以上使わなくても綺麗になります(これが何よりのコスパ。。。!)。どうしても不安な時は二杯で十分、二杯でも足りないときは塗りすぎであとで拭き取りが面倒になります。
プラフタに空けたら、今度は刷毛を使って外した車輪のギアから塗っていきます。車体側のチェーンからやってもいいのですが、なんとなくギアのほうが汚さそう、という勝手な思い込みでギアからやるようにしています(多分どっちでも大丈夫)。
塗り方のコツとしては、①刷毛にディグリーザーを付けたら付けすぎないように絞る、②刷毛は塗り込むというより毛先を当ててディグリーザーで湿らせる、という2点です。なお、ギアからディグリーザーがしたたるような場合は明らかに付けすぎです。
ギアに付けている時点からその効果は実感できます。(下図)
見てわかる通り、少し塗って刷毛でつつくだけで一気に綺麗になるのは実感できると思います。洗車の楽しみの一つでもあります。
同じ要領で車体側も塗り込んでいきます。チェーンリング(フロントギア)、チェーン、ディレイラー(変速機)、ブレーキ(キャリパーの場合のみ)にも垂れない程度にしっかり付けていきます。
汚れ落とし作業
ディグリーザーの作業が終わったら次は汚れ落とし作業に入ります。どうせ壊れないですから、安物ロードバイク用のブラシを使って作業していきます。
まずはツッツキ作業を始めます。長いブラシを使ってディグリーザーを塗った個所をひたすらツッツキます。こうすることでディグリーザーが当たらなかった場所にディグリーザーを当てたり、少し頑固な油分に対してこすれるようにします。基本的にはこすらなくても落ちますので、あくまで傷をつけるようなことはせず触っていくことを意識して作業します。
この時点で汚れは目に見えて落ちていることがわかるのですが、気になるところは徹底的につついてしまうことが重要です。特に刷毛の長さでは触れなかった部分もありますので、とにかく触りまくります(傷はこのくらいのブラシでは付きません)。
またチェーンについては、コの字ブラシを使って上下横から力を使ってゴシゴシこすりこみます。
かといって自由に引っ張るとチェーンが外れてしまって周りが汚れるので、チェーンにテンションをかける方向を意識しながら全方向のブラシが当たるようにゴシゴシします。
ここまでで油汚れ落としは終了になります。
油汚れのふき取り
続いてディグリーザーのふき取りを進めます。この拭き取り作業で汚れの大部分は落ちますが、ちゃんと拭き取らないと後で刺す注油の効果が激減しますのでシッカリと拭き取ります。(注油してもそれを残ったディグリーザーが溶かしてしまうため)
ふき取りの順番としては好みですが、僕はチェーンの拭きとりを最初にやるのが好きです。チェーンが汚れていると、チェーンを回したときに汚れが回ってしまうのが理由ですが、好みとは思います。
チェーンふき取りのコツですが、右写真のようにウェスで覆ったチェーンをS字にするようにテンションをかけて前後運動でしっかりと中まで拭き取ります。チェーンをつかんで動かしてもギアごと回ってしまいますので、利き手でチェーン、逆の手でペダルかチェーンを握って固定するようにしてグリグリ拭き取ります。終わった後、圧倒的に銀色に輝いてくれるので掃除での楽しい瞬間の一つでもあります。
続いて、チェーリング周り、ディレイラー周りを拭き取ります。ウェスを狭いところにいれて引っ張ったり、わざとギアに引っ掛けたり、プーリー(ディレイラーの小さいギア)を挟んで回したり、といろんな方法で拭き取ります。目安としては黒い汚れがなくなって湿った感じがなくなるまでかと思います。
続いて後輪ギアを拭き取ります。
プラカードがやっと登場します。このプラカードにウェスを覆ってギアの隙間に入れて引きながら拭き取ります。
普通のロードバイクは「フリー」といってギアは進行方向とは逆に回転しますが進行方向にはロックされる仕組みになっています。これを活かして、ロックする方向に引いて拭き取り、逆方向に押してギアを動かしてふき取り個所を移動、というのを全部の隙間でやります。やるとわかりますが、カードをつかうとちゃちゃっと拭ける割に綺麗になるのでカードはおすすめです。
これでディグリーザーふき取りは終了です。ブログ的にはかなり簡単に書きましたが、入念に拭き取ります。
水を使わない汚れ落とし(ただし、成分は水)
最後に水は使いませんが、汚れを浮かして拭き取る掃除に入ります。ここではフォームクリーナー(泡が出てくる洗剤)を使います。
一番有名なのはワコーズのフォーミングマルチクリーナーなんですが、高いんですよね。。。なので僕は少し安いやつを使ってます。(あんまり差はない、と信じたい。。。)
フォームクリーナ―は激しく飛び散ることはないので、ディグリーザーを塗った個所に片っ端から吹き付けていきます。水洗いの代わりにするので、ディグリーザーは塗っていないけど泥汚れなどの水洗いしたいところには吹き付けます。
左のように泡が残る場合はそれなりにディグリーザーで油汚れが落ちているケース、駆動系は内部の汚れがあるので泡は消えることが多いですが消えた時はもう一度吹き付けるとよいかと思います(泡が絶対残るわけではないので、綺麗になりそう、と思ったらそれで充分)。
水で浮いてくる汚れのふき取り
ディグリーザーの時同様に、フォームクリーナ―を吹き付けたところを再度拭き取ります。ここで大事な注意点が2つ、①油汚れ用のウェスを使うとせっかく拭き取った汚れとディグリーザーを撒いてしまうのでウェスを変える、②ディグリーザー以上に丁寧に拭き取る(そうしないと水分なので錆に直結する)ことが大切です。水分なので最悪ほっとけば乾くので、神経質になる必要はありませんが丁寧に拭くことは気を付けます。
こんな感じで二枚目のウェスを使ってふき取りを進めますが、見ての通りフォームクリーナ―を使うと残った汚れがちゃんと落ちているのも分かります。
特に書いていませんが、前輪、前輪フォーク付近も汚れが付きやすいので、フォームクリーナ―を吹き付けて掃除してあげるとよいです。(必要に応じて前輪も外す)
これで清掃自体は終了になります、続いて仕上げの注油になります。
注油と慣らし
洗車も最終工程に入ります。フォームクリーナ―ふき取りが終わったら、後輪を車体に戻して普通のスタンド状態にします。
最後に使う注油セットはこちらです。僕はあんまり乗らなそうなときと頻繁に乗るときのオイルを分けているので、二種類ありますが今回は冬の掃除で乗る頻度が低かったので白のウェットオイルにしました。(粘土が高く長もちだけど汚れが付きやすい→ある程度掃除をさぼっても錆ない。。。)
潤滑油は僕は最初にお店でおすすめされたのがメンテルーブだったのでこれを使ってますが、ラスペネ一択という人もいるのでそこは好みなのかな、と思っています。ちなみにメンテルーブをキーキー鳴く自宅の玄関ドアに差したらまったく音がしなくなったので、個人的には信頼を置いています笑
まずはメンテルーブを差していきますが、差すところは「ギア関係で軸があるところ」になります。
掃除してみるとわかるのですが、ディレイラーは4枚の板がネジでつながってできているので、結節点になっている4か所の裏表合計8か所を差します。リアディレイラーに関しては、プーリー(小さい歯車)があるので2か所の軸にも一応差しておきます。(Dura-aceのプーリーだとメンテフリーで差さない方がいいとかいうのは聞きましたが無視してます →105ですがプーリーだけDura改造してます)
差すときはノズルを直接結節点にあてて差します。すごく勢いよく出ますが、しみこませるように差すので実質一滴差すか差さないかという感じで、差しすぎは汚れを呼ぶので垂れてきた分はウェスで拭き取っておきます。
最後にチェーンに注油します。
チェーン注油も差しすぎないようにウェスをしたに引きながらヒトコマずつ差していきます。どこまで差したか分からなくなるので、チェーンにある結節ポイントを探してそこを目印に一周させるように差します。
すべて差し終わったら、全ギアの組み合わせに変速しながらチェーンについたオイルをフロントとリアのギアに回していきます。こうすることでギアは注油されるのでギアに注油する必要はありません。
すごく長くなりましたがこれでロードバイクの無水洗車は終わりです。最初は時間がかかりますが慣れると異常検知にもつながるのでぜひやってみてください。
コメント